日本血液学会、福島県医師会、三重県医師会とノバルティス ファーマが、"地域医療体制の再定義による偏在解消プロジェクト"と称して、造血器腫瘍の病診連携プロジェクト事業「HEMA-Bridge事業」を開始すると4月13日に発表した。この中で注目されるのは、造血器腫瘍治療の晩期毒性としての心血管障害の扱い。地域医療機関に依頼するフォローアップマニュアルの中で、この心血管障害を特に重視していることを、本事業の責任者である日本血液学会地方会活性化委員会委員長兼理事の池添隆之氏(福島県立医科大学血液内科教授)が明言した。
造血器腫瘍は年々、治療成績が向上している一方で、増加する維持期の患者の扱いが問題になっている。一定の治療を終えて小康状態になった患者でも大学病院などの高度な医療機関へのフォローアップ受診が必要となるために、遠方からの定期的な通院を余儀なくされているケースも多い。そこで、日本血液学会地方会活性化委員会が中心となって、維持期の患者を患者が居住する地域の病院・診療所でフォローアップする事業を計画、その先行研究として三重県と福島県の医師会の協力を得て事業化調査を開始するというもの。
特徴的なのは地域から参加する医療機関が血液内科を専門とする施設に限定されていないこと。呼吸器内科や消化器内科などこれまで造血器腫瘍を診療していなかった施設や医師らが経過観察を主体として診療を行う。日本血液学会ではこうした非専門医の診療をサポートするためのフォローアップマニュアルを作成している。そのマニュアルの重点課題として、池添委員長は「リンパ節腫脹など再発や二次がんはもちろんだが、晩期毒性とりわけ心血管障害の発見を重視している」と語った。

