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簡単なケアの変更による肺がん放射線治療時の心臓への負担軽減

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局所進行肺がん治療中の心臓への放射線照射は、治療後最初の2年間における主要な心臓有害事象のリスク上昇と関連している。心臓の被曝線量が高いほど、心イベントリスクは高くなる。

University of Michigan Health Rogel Cancer Centerのチームは、同大学のShruti Jolly氏(MD)と、Spectrum Health Lakeland Medical Center(ミシガン州セントジョセフ)のPeter Paximadis氏(MD)が共同で率いるMichigan Radiation Oncology Quality Consortium(MROQC)lung cancer collaborativeと連携して、心臓への放射線被曝のリスクに関する認識を高め、心臓の被曝線量を標準化した結果、腫瘍の治療を最小限にしたり、胸部における他のリスクの高い臓器への線量を増やしたりすることなく、心臓への平均線量を15%減らし、心臓に最高線量を受ける患者数を半減させることに成功した。

Practical Radiation Oncology誌に掲載された本研究では、MROQC全体でこの教育の有効性を評価した。

全州的なコンソーシアムは、BCBSM(Blue Cross Blue Shield of Michigan)Value Partnerships Programの一環として、BCBSMとBlue Care Networkの支援を受ける、ミシガン州全体の質向上を支援する包括的な臨床・物理データベースである。

この教育プログラムでは、NSCLC(非小細胞肺がん)患者における心臓への放射線被曝に関する新しいデータの周知と、それに伴うMROQC内の心臓における目標の調整を行った。

本研究の筆頭著者である放射線腫瘍学レジデントのDaniel Herr氏(MD, PhD)によると、心臓への放射線の影響に関する教育や認識が高まったことは、臨床診療に有意義な影響を与えたという。

「本研究は、比較的単純な介入でも、適切な目標を設定すれば、患者ケアの改善に有効であることを示すエビデンスである」と、Herr氏は述べている。

「MROQCのような大規模な質管理コンソーシアムをもつことが、ミシガン州全体の患者が受けるケアの質を向上させるという意味で重要な利点であることは、さらに明白である。」

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